大小の自然石を面が不規則に乱れるように積む崩れ積みは、日本で昔から用いられてきた伝統的な技法です。崩れてきた岩が積み重なったかのような、ダイナミックな印象の石垣に仕上がります。上段の石が、下段の石裏から覆い被るように積み上げられるのが特徴です。また、適度に隙間ができる崩れ積みは、背後に溜まった水を自然に排出してくれるという利点があります。
一見適当に積んでいるように見える崩れ積みですが、絶妙なバランスを保ちながら積んでいかなければならない、大変技術がいる積み方です。こちらの石垣は、大小様々な自然石を組み合わせ積み上げています。まるで、大きな岩を砕いて、また組み合わせたかのように、一つ一つの石がピタリとそこに収まっています。
自然石が持つ荒々しさに、苔や風化などの経年変化による味が加わり、重厚で風格のある雰囲気を醸し出しています。野趣溢れるその様は、見る者に自然の威厳を感じさせてくれます。
